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ネット誹謗中傷から病院を守るために

——弁護士を味方につけるという現実的な選択

多くの医療機関は、日々チーム医療として誠実に医療を提供しています。
しかしそれにもかかわらず、ネット上で根拠のない誹謗中傷や悪質な風評被害を受けてしまうケースは少なくありません。

近年では、匿名掲示板や口コミサイト、SNSなどを通じて情報が一気に拡散し、地域での評判が短期間で大きく揺らいでしまうこともあります。

「患者数が急に減った」
「採用応募が激減した」
「スタッフの士気が低下し、離職につながった」

こうした変化の原因をたどると、ネット上の悪評が発端だったというケースも現実に起きています。

本稿では、こうしたネット上の誹謗中傷や風評被害に対して、弁護士がどのように対応するのか、そして遠方の弁護士でも全国対応が可能な理由について解説します。

病院が受けやすいネット中傷の典型例

病院に対する誹謗中傷の投稿には、以下のような内容が多く見られます。

  • 「予約していたのに2時間も待たされた」
  • 「医師の説明が不十分で不安になった」
  • 「医療ミスがあったと聞いた」
  • 「スタッフの対応が悪い」
  • 「内部でパワハラがあるらしい」
  • 「感染対策が不十分に見える」

これらは一見すると単なる感想のようにも見えますが、事実と異なる内容が含まれている場合でも、放置すれば検索結果に残り続けるという問題があります。

その結果、患者数の減少や採用への悪影響、現場スタッフのモチベーション低下といった、長期的な経営リスクにつながっていきます。

早期対応がカギ——病院が取るべき行動

ネット上の誹謗中傷に対しては、段階的に対応していくことが重要です。

  1. 真偽の確認

    投稿内容が事実か虚偽かを把握します。

  2. 公開での対応検討

    返信が可能な媒体であれば、誠実に説明すべきかどうかを判断します。

  3. 削除請求の検討

    権利侵害にあたる場合には、サイト運営者に削除を求めます。

  4. 投稿者の特定

    悪質な場合には、発信者情報開示請求を通じて投稿者を特定します。

  5. 損害賠償請求

    損害が発生している場合には、慰謝料請求や訴訟も検討します。

このうち、削除請求以降の対応には専門的な法的知識が不可欠です。
そのため、適切に対応するには弁護士の関与が重要になります。

弁護士による具体的な支援内容

弁護士は、以下のような形で誹謗中傷対応を支援します。

  • サイト管理者への削除請求

    法的根拠を示したうえで、削除を求めます。

  • 仮処分申立て

    裁判所を通じて、迅速に投稿の削除を実現する手続です。

  • 発信者情報開示請求

    投稿者の住所や氏名を特定するための手続です。

  • 損害賠償請求・訴訟対応

    違法性が認められる場合には、慰謝料請求などを行います。

  • 再発防止のための体制構築

    継続的な監視や対応フローの整備を支援します。

誹謗中傷対策は、一度の対応で終わるものではなく、継続的な対策が重要です。

地方の弁護士でも対応できる理由

ネット上の誹謗中傷案件では、投稿者の所在地が不明であることが多く、またSNSやプロバイダの本社は東京や海外にあるケースがほとんどです。

そのため、実際の法的手続は東京の裁判所を利用することが多く、専門性の高い対応が求められます。

この点については、誹謗中傷対応に特化した専門事務所との連携が重要になります。

専門性の高い事務所と連携することで、

  • 最新の知識に基づいた対応
  • 迅速な手続
  • 無駄のない費用設計

といったメリットを受けることができます。地方の弁護士であっても、適切な連携体制があれば、全国レベルで質の高い対応が可能です。

まとめ——顧問弁護士という安心の備え

ネット誹謗中傷だけでなく、患者対応、労務トラブル、行政対応、診療報酬に関する問題など、病院が直面する法的リスクは多岐にわたります。

こうしたリスクに対して、顧問弁護士がいることで、早期発見・迅速対応が可能になります。

特に誹謗中傷対策は、スピードが極めて重要です。
対応が遅れるほど情報は拡散し、回復までに時間がかかります。

顧問契約を結んでいれば、通常よりも優先的かつ迅速に対応を受けることができます。

「身に覚えのない投稿が広がっている」
「削除依頼をしても対応されない」
「誰に相談すればいいかわからない」

このような状況こそ、弁護士のサポートが必要な場面です。

病院の信用と地域からの信頼を守るために、法的な備えとして顧問弁護士を活用することは、現実的で有効な選択といえるでしょう。

菅藤法律事務所 菅藤 浩三

この記事の著者・運営者:菅藤法律事務所 菅藤 浩三

福岡を中心に九州エリアを対応しており、医療機関の法務支援に注力する現役の弁護士。
患者対応や労務問題、医療法規制への対応など、複雑化する医療現場の課題に対し、実務に即した助言を行っている。 日常的な相談からトラブル対応まで幅広く関与し、円滑な病院経営と働きやすい職場環境の実現をサポート。
医療現場への理解を強みに、地域医療を支えるパートナーとして迅速かつ誠実な対応を心がけている。
本サイトでは、実務経験に基づく信頼性の高い情報を発信しています。

弁護士歴(抜粋)
  1. 1992年司法試験合格
  2. 1995年福岡県弁護士会に弁護士登録
  3. 2004年整理回収機構 九州地区顧問 就任
  4. 2006年菅藤法律事務所を設立
公的役職歴(抜粋)
  1. 2010年~日本弁護士連合会「市民のための法教育委員会」副委員長
  2. 2010年~2013年福岡県弁護士会「法教育委員会」委員長
  3. 2014年~福岡県弁護士会「ホームページ運営委員会」委員長
  4. 2015年~福岡県弁護士会「交通事故委員会」委員
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