医療法務コラム
column
医療法務に強い弁護士|福岡
092-725-8777
[受付時間]平日午前9時~午後5時30分
医療法務コラム
column

—クレーム対応の専門家として、弁護士を味方につけるという選択—
医療現場において、患者対応は年々複雑さを増しています。
とりわけ、医師や看護師、受付担当者に対して過度な要求や不当な言いがかりを繰り返す、いわゆるモンスターペイシェントへの対応は、多くの医療機関が頭を悩ませている課題ではないでしょうか。
「声が大きく、何度も感情的にクレームを繰り返される」
「忙しい現場の中で、どこまで対応すべきか判断がつかない」
「スタッフが疲弊しており、離職につながるのではないか不安」
「毅然と対応したいが、法的に問題ないか分からない」
このようなご相談は、日々多く寄せられています。
特に、現場の最前線で対応を担う事務長の方々からのご相談が増えていることが、問題の深刻さを物語っています。
目次

医療機関に寄せられるクレームの中には、患者側の誤解が原因となっているケースも少なくありません。
「病院に行けば必ず治るはずだ」
「診察を受ければ必ず原因が分かるはずだ」
「医師はどんな病気も治してくれるはずだ」
こうした期待が満たされなかったとき、不満や怒りとなり、やがて強いクレームへと変わっていくことがあります。
しかし、たとえ誤解が原因であっても、クレームを放置すれば病院の評判や職員のメンタルに悪影響を及ぼす可能性があります。

医師法第19条では、医師には応召義務があるとされています。
ただしこれは、「正当な事由がなければ診療を拒んではならない」というものであり、すべての要求に無条件で応じる義務があるわけではありません。
明らかに不当な要求や迷惑行為に対してまで応じる必要はありません。
実際の裁判例でも、医療機関の秩序を著しく乱す患者に対して、医療機関側の対応が正当と認められたケースがあります。
このように、応召義務には限界があり、その線引きは法的判断を伴います。
その判断を支えるのが、弁護士の役割です。

クレーム対応において最も重要なのは、感情に流されないことです。
まずは客観的な事実と証拠に基づいて状況を整理する必要があります。
クレームは大きく次の3つに分類できます。
→誠実な謝罪と適切な補償対応が必要です。
→曖昧にせず、毅然とした対応が求められます。
→証拠に基づいた冷静な分析が不可欠です。
この判断を誤ると、不要なトラブルの長期化や拡大につながります。
初動の判断こそが、結果を左右するポイントです。

クレーム対応に弁護士が関与することで、次のようなメリットがあります。
特に、「訴える」「SNSで拡散する」といった発言が出ている場合には、弁護士が前面に立つことで感情的な対立を和らげる効果も期待できます。

日頃から弁護士と連携しておくことで、
「この対応で問題ないか」
「どこまで応じるべきか」
「今の段階で介入すべきか」
といった判断を、スピーディに行うことができます。
特に以下のような場面では、事前の助言が重要です。
これらはすべて、医療機関のリスク管理そのものです。

モンスターペイシェント対応は、もはや現場任せで対応できる問題ではありません。
特に事務長は、医療機関の中で、職員と医師を守る「最後の砦」としての役割を担っています。
「まだ大きな問題にはなっていないが、不安がある」
「過去に対応を誤りかけた経験がある」
「次に同じことが起きたらどうすべきか迷っている」
このような段階こそ、弁護士に相談すべきタイミングです。
クレーム対応は、初動で専門家が関わることで、深刻化を防げるケースが非常に多い分野です。事務長の冷静な判断と、法的専門家のサポート。
この組み合わせこそが、医療現場を守る最も現実的で強い体制といえるでしょう。